iPhone、iPad、iPad Proの充電器の選び方を一言で言うと、「高出力に充電器を選ぶ」です。
iPadはiPhoneよりもバッテリ容量も消費電力も大きいことから、Appleは10ワットまたは12ワットを供給できる充電器を付属しています。
iPad ProやiPadエア(第3世代)、iPadミニ(第5世代)は「USB PD」という規格に対応しており、従来のUSBより高い電力での充電が可能です。
充電にかかる時間は基本的にワット数が大きいほど短くなるため、充電器を選ぶ際にはできるだけ高い出カの製品を選ぶのが基本です。
また、純正充電器はUSBポートが1つしかないため、複数の機器を充電したい場合に不便です。
そこで複数のポートを持つサードパーティ製品がおすすめです。
(サードパーティーとは、第三者団体のこと)
ただ、USB PD対応製品はType-Cポートしかない場合があるので、既存のケーブルが使えるよう、Type-Aポー卜も備えた製品を選ぶのがいいです。
iPad (第7世代)はポートあたり12ワット以上、iPadプロおよびUSB PDに対応したモデルではUSB PD対応の充電器が最適です。
充電器の違いで充電時間は3倍以上異なります
<実践レポート>
USB充電器であれば、ほとんどの製品でiPadを充電することができますが、性能によって満充電までの時間は大幅に変わります。
実際にさまざまな充電器を使って、充電時間を比較してみました。
まずiPhone用の純正充電器(5W)では、充電がほとんど進みません。
一方、iPad用の純正充電器(10W)では、18%から50%になるまでに96分かかりました。
これがサードパ一ティ製の12W対応充電器では、81分かかったので、出力に比例して2割程度早くなっています。
統いてUSB PD対応した純正充電器(18W)の場合、52分となりました。
ただし、USB PD非対応のiPad (第7世代)では10Wと充電時間がほとんど変わらず、80分かかりました。
また、サードパ一ティ製のUSB Type-C接続(USB PD非対応)の充電器では、本来18W出力されるはずですが、iPad Proでも12W前後しか出力されず、
こちらも80分という結果になりました。
USB PD対応の効果は大きいことが分かりました。
そして、最後にサードパーティ製のUSB PD対応-60W出力の充電器の場合、約30W弱で給電され、18%~50%まではわずか32分、1分あたり約1%という割合で高速充電されました。
大出力の効果は絶大です。
充電時間は本体の設定や利用状況にも左右されますが、わずかな時間を活用してバッテリを充電するには、やはり高出力の充電器を選ぶのがベス卜なようです。
テスト内容
1.今回のテス卜にはiPad Pro (2017、10.5インチ)を使用しました。
USB PD対応ですが、充電端子はLightningポー卜になります。
比較対象としてiPad (第7世代)、iPhone11 Pro、iPhone6も用意しました。
2.充電器は純正の5W、10W、18W (PD)、Ankerの24W、Belkinの12W/18W (非PD)、Ankerの60W (PD)を用意しました。
3.ルー卜アールのUSB電流チェッカーを使って充電中の電流・電圧と電力置を調べます。
数字は刻々と変わるため、数回計測した平均値を記録しました。
4.iPad Pro+60WのUSB PD対応充電器で、最大28.42Wを記録しました。
ちなみにiPhone8以降の機種もUSB PD対応ですが、最大18W対応止まりです。
試験に使用した機種と電流・電圧・電力の一覧
5W | 10W | 12W(Anker) | 12W(Belkin) | 18W(PD) | 18W(Belkin) | 60W(PD) | ||||||||
iPad(第7世代) | 4.97A | 0.90V | 4.96A | 1.99V | 5.09A | 2.20V | 5.09A | 2.24V | 5.03A | 2.53V | 5.10A | 2.53V | 5.10A | 2.52V |
4.47W | 9.87W | 11.20W | 11.40W | 12.73W | 12.90W | 12.85W | ||||||||
iPad Pro10.5 | 4.98A | 0.87V | 4.96A | 1.99V | 5.08A | 2.30V | 5.09A | 2.33V | 9.00A | 1.98V | 5.09A | 2.50V | 14.80A | 1.92 V |
4.33W | 9.87W | 11.68W | 11.86W | 17.82W | 12.73W | 28.42W | ||||||||
iPhone11Pro | 4.93A | 0.90V | 4.83A | 1.60V | 4.93A | 1.69V | 5.11A | 1.81V | 9.04A | 1.61V | 5.08A | 2.51V | 8.98A | 1.65V |
4.44W | 7.73W | 8.33W | 9.25W | 14.55W | 12.75W | 14.82W | ||||||||
iPhone6 | 4.95A | 0.90V | 4.95A | 1.30V | 5.15A | 1.27V | 5.08A | 1.30 V | 5.10A | 1.37 V | 5.06A | 1.35V | 5.22A | 1.30V |
4.46W | 6.44W | 6.54W | 6.60W | 6.99W | 6.83W | 6.79W |
特に12W~18Wあたりを比較すると、同じ出力の製品でも、製品によって最大電力が違うことがわかります。
まとめ
・高い出カの製品を選ぶ
・純正充電器はUSBポートが1つしかないため、複数の機器を充電したい場合に不便
・複数のポートを持つサードパーティ製品がおすすめ
・USB PD対応製品はType-Cポートしかない場合があるので、既存のケーブルが使えるよう、Type-Aポー卜も備えた製品を選ぶ
・iPad (第7世代)はポートあたり12ワット以上、iPadプロおよびUSB PDに対応したモデルではUSB PD対応の充電器が最適